2011年10月9日日曜日

ויום השביעי שבת לה' אלוהיך לא תעשה כל מלאכה

安息日を心に留め、これを聖別せよ。
六日の間働いて、何であれあなたの仕事をし、
七日目は、あなたの神、主の安息日であるから、いかなる仕事もしてはならない。あなたも、息子も、娘も、男女の奴隷も、家畜も、あなたの町の門の中に寄留する人々も同様である。
(出エジプト記20章8〜10節、新共同訳)


お恥ずかしい話ですが、ユダヤ教のハラハー(道、規範、宗教規定)には興味はあるのですが明るくありません。
そんな私なのですが、エルサレム在住のバルイラン大学の教授宅で、毎月一回ハラハーの読書会を開催する運びとなり、参加させて頂くことになりました。
その先生宅で去年、今年と紹介して頂いて気になっていた本を、先日エルサレムにある英語書籍に強い本屋で購入しました。

The 39 Avoth Melacha of ShabbathThe 39 Avoth Melacha of Shabbath
Baruch Chait Yonathan Gershtein

Feldheim Pub 1986-06
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一見して分かる通り、子供向けの本です。
ただ、私自身はユダヤ教徒でもありませんし、数年前まではユダヤ教・ユダヤ人とは無縁の暮らしを送っていたため、ユダヤ教の実践に関しては子供レベル、下手したら乳児レベルです。ですので、これくらいの子ども用絵本から始めるので十分です。シャバット(安息日)の労働に関しては過去2000年以上に及ぶ膨大な蓄積がありますし、基礎概念すら怪しいものですから。ちなみにこの本は基礎概念もきっちり説明してくれていますので、その点も安心。出来がかなりいいので、他の本も見てみたくなります。

しかしこの本面白い。サイズがバカでかくて、本棚のどの段にも入らないという問題がありますが、安息日に何をしてはいけず、何をするのは許されるのかということを、カラーのイラストで楽しく学ぶことが出来ます。
表題の「Avoth Melacha אבות מלאכה」とは、日本語に訳すと「労働類型」とでもなるのでしょうか、安息日に禁止されているという「労働」を、幕屋の建設に範をとり、39に分けたものです。その39の各カテゴリー毎に具体的な労働を示し、毎週の安息日(と祭り)で実践できるようしたものです。

例えばパラパラ見て面白かったものは、労働類型である「狩り צד」のうち、亀に箱を被せようとしている子どもが。はてこれは何をしているのかと訝しんで見てみると、そのイラストに説明があります。曰く「亀は歩くのが遅すぎるため、それを捕まえることは『狩り』に該当しないため可」。成程。この例は実践的かどうかは分かりませんが、ユダヤ教がどのような原理で安息日の労働を考えているかがよく分かります。
本当はもっと細かい議論が飽くことなく続くんでしょうが、この本はとりあえず初めの勉強にはいいんじゃないかな、と思います。自分自身の勉強もかねて、この本を読んで学んだことをこのブログに時々書いてみるのも良いかも知れないですね。

ハラハーといえば今年の夏にヘブライ語の集中講座に参加した折、何人かのユダヤ人クラスメイトが結構真面目に守っていたみたいです。それがどうして分かったかと言うと、一つには「神」のことを、ヘブライ語での呼び名の一つである「エロヒーム אלוהים」の代わりに「エロキーム אלוקים」と、婉曲に呼んでいたこと。そしてもう一つが、カリキュラムの都合で通常週5日間の授業が週6日間になった週の6日目、「安息日に入ったら宿題も予習復習も出来なくなるので宿題は少なめに、週明けの試験は一日伸ばしてけろ」という意見が多かったこと。ユダヤ教の規定(というより前近代は大体そうだと思いますが)では日没から新しい日が始まるので、6日目の日没から翌日の日没までの25時間が安息日となります。その間伝統的なユダヤ教のハラハーを守っている人は、「世俗的」な勉強はできないことになります。現代ヘブライ語もダメ(と言ってました)。というわけで聖書は存分に勉強するのですが、ヘブライ語集中講座の方の勉強は禁止。なので、週6日も授業があると安息日が勉強できないので大変だったみたいです。

ちなみに週明けの試験はちゃんと一日伸びました。

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