2011年11月19日土曜日

Travels to Yemen

エルサレムにイスラーム美術博物館(http://www.islamicart.co.il/en/travels_to_yemen_en.asp)というのがあるのですが、昨日そこの企画展「Travels to Yemen 1987-2008」に行ってきました。
そんなに大きくない美術館の特設なのでこじんまりとしてましたが、個人的にはこれくらいの方が一枚一枚の写真やキャプションをじっくり見れるので好きです。

個人的に面白いと思った写真は、ユダヤ人のお爺さんが聖書を上下逆さにして読んでいる写真。初め一瞬ヘブライ語が読めずに読んでるふりをしたのかと思っていましたが(失礼)、伝統の長いイエメン・ユダヤ人社会でそんなことが起きるはずはなく、彼らは上下逆さだろうが読むのに支障はないとのこと。
製本された「本」自体が貴重だったので、一度に一冊の本を複数人で読むために、このような「技術」が発達したらしく、本が十分にある現在も、伝統として次世代にもこの「技術」が伝えられているとのこと。面白いですね。

「次世代」と上に書きましたが、現在にもイエメンには数百人程度の規模でユダヤ人が残っているそうで、そのユダヤ人達はサトマール派(ユダヤ教の敬虔主義運動であるハスィディズム派の一派で、ナトレイ・カルタと同じようにイスラエル国家の存在を認めない)の援助を受けているそうです。(ラビ・)ユダヤ教に反する(と彼らが考える)国民国家イスラエルへの移住を阻止するために援助をしているのだとか。なるほど。

私自身は2006年にイエメンに行った際、マナーハという首都サナア近郊の村からハジャラという村に行き、そこで昔のユダヤ人地区を見たことがあります。

ハジャラ遠景
このように山に作られた集落なのですが、歴史的に上の方にムスリム、下の方にユダヤ人が住んでいたようです(ガイドの子ども談)。

ハジャラの旧ユダヤ人地区の住居跡
実際の住居跡はこのようになってて、もうハジャラには一人もユダヤ人はいないとのこと。現在はここはロバ小屋として使われてるとかなんとか。

上記住居跡の入り口部分を拡大。1268というアラビア数字が読めます。
ここハジャラではユダヤ人のジャンビーヤ(イエメン社会で男性が作る短剣のようなもの。社会的ステータスや所属部族などを表す)を買いました。

右手前にあるのが購入したユダヤ人のジャンビーヤ

イエメンの首都サナアはこんな感じです。

泊まってた宿から旧市街を見下ろす。

サナアの象徴の一つ、バーブルヤマン。

中に入るとこんな感じです。

近くでやってた結婚式の際の、伝統的な「ジャンビーヤダンス」

 昨日はイスラーム美術博物館に行った帰りにカフェに寄って、その後「My Sweet Canary」という映画を観ました、それはまた後日。

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