2011年11月13日日曜日

An Introduction to Aramaic

アラム語は少し前に、手近に先生がいなかったために独習したのですが、以下の教科書を使いました。

An Introduction to Aramaic (Resources for Biblical Study)An Introduction to Aramaic (Resources for Biblical Study)
Frederick E. Greenspahn

Scholars Pr 2003-06
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「通常」、アラム語を勉強してやろうと思ってる人はヘブライ語の知識を既に持っている、つまり聖書ヘブライ語及び聖書にある程度通じている人が多いので、この教科書もそのような前提で組み立てられています。
この本は文典ではなく「教科書」ですので、一課から順に段階(文法事項)を追って学んでいくことができます。いきなり難しい文章を提示するわけではなく、徐々に徐々に量を増やし、原典に近づき、という工夫をしてますので、いきなり挫折してしまう、ということはおそらくないと思います。

ただ、後半になると読解量がグッと増えたり、難易度がボカンと上がったりするので頑張りましょう。あと、後半、まっさらのテクストにニクード(補助記号)をつけるところから始まったりするので、ニクードの知識があった方がベターです。

また、この本ではアラム語を学びながら初歩的なセム語学の知見を得ることもできます。私自身はアラビア語→ヘブライ語→アラム語ときたのですが、セム語の観点からの説明は非常に有益でした。


以下章立て。計32章あります。
1章から27章まではエズラ、ダニエルを中心に、前半は原文を優しくリライトしたもの、後半は結構そのまま、という体裁を取っています。
28章以降は碑文やエレファンティネ文書、死海文書、ラビ文献等、広い分野から取材しています。個人的にはこの28章以降を楽しく勉強しました。


Chapter 1-12 Ezra 4〜7章
Chapter 13-27 Daniel 2〜7章
Chapter 28 Inscriptions Bar Rakib, Uzziah, Ein Gedi Synagogue
Chapter 29 Elephantine and Bar Kochba letters
Chapter 30 Dead Sea Scroll Genesis Appocryphon
Chapter 31 Genesis Rabbah
Chapter 32 Pseudo Jonathan Genesis 22.

上記リストを見てお気づきの通り、時期的には帝国アラム語を中心に据えてますので、他のバリエーションを扱う際にはまた個別に勉強するべきでしょう。個人的にはマジックボウルの(バビロニア=後期東方方言)アラム語が渋いなと思ってます。一応文法書を手に入れて一通り読みましたが楽しそうです(実際のテキストはまだそこまで読んでません)。

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